「音楽的に耳がイイ事は大切です」
という事をお話すると、
大抵の方は、
「よし、これからはよく聞かなきゃ」
「ちゃんとわからなきゃ!」
と、意気込みます。
(性格的には生真面目で、ちゃんとしてる方、あるいはちょっと頑固な方が多いですね^_^)
でも、それでは
[遠く、広く、深く聴こえている耳]
からは少し遠ざかってしまいます。
そういう方は、
聴こえている耳のことを、
《審美眼》のようなものだと捉えているような気がします。
よく見て(聞いて)、それが美しいのか、そうでないのか、正しいのか、そうでないのか、etc.etc。。。
『瞬時に理解・判断出来る』=聴こえている事。
と、拙速な向上心によって、
誤解されているように思います。
もちろん、長い目で見ればそれは間違いではないのですが、
人間の習性として、
「わかろう、理解しよう」
という意識が先に立ちすぎると、
思わぬ落とし穴が待っています^_^
そういう方は、
ちゃんと見極めよう、
という意識のあまり、
耳の聴点(視点と同じようなもの)を
より自分に近づけ、
飛んでくる音を
《待ち構えてしまう》のです。
音は空気振動によって伝わりますが、その距離が長ければ長いほど、発生した状態から情報は削ぎ落とされていきます。
慎重になるが故、音を待ち構えてしまうことで、キャッチした情報にはほとんど中身がない状態、という事も少なくありません。